都会っ子が酪農してみた

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大阪人の私が北海道の酪農会社(乳牛)へ入社した時の話です。

これから酪農をしたいと思っている方の参考になれば幸いです。

私がお世話していた子牛、かわいい

こんにちは、本田です。

私は大阪生まれ大阪育ちの都会っ子です。

梅田(大阪駅)まで電車で20分、大阪伊丹空港まで徒歩15分程度の栄えた街に住んでいました。

今日はそんな私が北海道に移住してから始めた酪農について話したいと思います。

酪農ってどんなお仕事なの?お給料はどれくらいもらえるの?などなどの疑問を解消していきます。

※乳牛(ホルスタイン)を対象とした酪農です。

飼育頭数は搾乳対象のみで500頭。

飼育方法はフリーストールです。

酪農業の給料について

早速ですが、酪農を始めてからのお給料額を伝えます。

ズバリ 251,850円 でした!

額面だけ見るとそこそこもらえてるように見えますね。

ただ、労働時間を考えると必ずしもそうではありません。

私が働いていた牧場の場合、朝4時に出社して、4時半から作業スタートでした。

4時に出社するということは、3時半くらいには家を出るということです(汗)

早朝というより夜中です(笑)

そして家に帰ってくるのは夜7時半頃です。

一日の拘束時間が通勤含めて約16時間です!

もちろんお昼休みなどはありますが、日によっては1時間にも満たない日もありました。

正直言って、酪農業舐めてました

ワークライフバランスを考えると、ちょっと手が出せない業界かもしれません(汗)

具体的な業務内容

さて、16時間も一体なにをするのかというと、牛のお世話です。

4時半にミーティングがあり、ドコドコの親牛から子牛が何頭生まれた、などといったことを共有します。場合によってはミーティング前に親牛の処置と子牛の移動をすることもあります(その場合3時頃には出社する)。

その後、毎日のルーティンである牛舎の清掃や搾乳作業を行います。

まず牛舎の清掃ですが、簡単に言うとトイレ掃除です(笑)

ホルスタインは、一日当たり60kg前後の糞尿をします。それが500頭分です。

牛舎のあちこちに糞尿が積もっているので、ボブキャットと呼ばれる重機で牛舎外へ廃棄します。

正直言って酪農の業務の中でこれが一番楽しいです(笑)

重機に乗って作業するから楽というのもありますが、積もり積もった糞尿がキレイになっていくのは気持ちがいいです(笑)

次に搾乳作業ですが、コレが地獄でした(泣)

ロータリーパーラー(北海道公式HPより引用)

私のいた牧場では、ロータリーパーラーと呼ばれる、メリーゴーランドみたいなものに牛が乗って、回ってきた牛にミルカー(搾乳機)を付けるスタイルにて搾乳を行っておりました。

一見楽そうに見えるかもしれませんが、実はこれメチャクチャ危険作業です!

というのも、牛の乳房に搾乳機を付ける必要があるため、このローラリーパーラーは高い位置にあります。大体目の高さに牛の乳房が来るくらいのサイズ感ですね。

そして、牛の乳房に触るということは、後ろで作業するということです。

大型動物と触れ合ってきた方なら察しがついたかもしれません。

そう、めちゃくちゃ暴れるんです

しかも腕を伸ばして後ろ脚の間に入るわけですから、腕を踏みつけられる危険性があります。

牛の体重ってご存知でしょうか?

700~800kgです。

人の腕なんて簡単に折れてしまいます。下手すれば障害も残るような怪我になりかねません(汗)

しかも搾乳機もつけるのに慣れるまでなかなかつけられません(泣)

大暴れする牛に四苦八苦しながら、それでもローラリーパーラーは回り続けるので、めちゃくちゃ焦ります。

酪農をしようと思っている方は、覚悟しておくべきでしょう。

厳しい労働環境の中で働く

酪農業をしていて、一番キツいと感じたのは、労働環境でした。

基本的に酪農は外気温に晒された長時間の肉体労働になります。

私がいた紋別郡では、夏は30度超え、冬はマイナス30度という過酷な環境でした。

牛舎の中の糞尿は、夏にはハエが湧き、冬は凍り付きます。

肉体労働ですので、熱中症のリスクが高かったり、冬場の水やりで手が霜焼けになったりなど、普通の会社勤務では経験しない危険に見舞われます。

体力に自信があり、自然に囲まれたところでないと働きたくないと思っていた私でしたが、これには耐えられませんでした。

酪農をやっている方は本当にバケモノ揃いです(笑)

なんだかんだいっても牛はかわいい

これまで散々酪農の嫌なところを書きなぐりましたが、実際酪農をしていた頃は楽しかったです。

毎日寝不足でフラフラになりながらも、牛のかわいい姿に癒され、なんとか頑張れました。

生まれたての子牛へ初乳を上げたり、懐いてくれた牛が寄り添ってきたりなど、酪農でしか味わえない感動がたくさんありました。

酪農をしたいと思っている方も、今回の記事を見て自信を失ったかもしれません。

そんなにキツいなら辞めておこうかな、と思うことも正しいと思います。

しかし、それでも酪農をやりたいと思った方は、絶対にやるべきだと思います。

人生は一度きりです。死ぬときに後悔したくなかったら、今行動すべきです。

私もそうしましたし、私のいた会社でもそういった方はたくさんいました。

しかし、不安というのは必ず出てくると思います。

そこで私から提案です。

まずは酪農ヘルパーとして働こう

酪農ヘルパーというお仕事をご存知でしょうか

ホルスタインは365日、毎日2度乳を搾らなければいけません。

乳を搾らなければ、ホルスタインの死因のトップである乳房炎という病気になってしまうからです。

しかし、酪農家も365日毎日働けるわけではありません。

病気や怪我などで働けなくなったり、冠婚葬祭で牧場を離れなければならない事もあります。

そこで酪農家に代わって搾乳などを行うのが、酪農ヘルパーです。

いわば酪農業界におけるUberEatsのようなものです(笑)

農林水産省もこの酪農ヘルパーの人員確保に力を入れているようですし、

未経験でも酪農のことを学ぶことができます。

なによりある程度の経験と貯蓄ができたら、独立することも可能です。

酪農で食っていきたいけど、実際どんな事をするんだろう?

新規就農の補助金で牧場を建てたいけど、まずはお試しで酪農してみたい

などといった考えがある方には、酪農ヘルパーという職業が適職でしょう。

まとめ

酪農は命を育てる仕事であり、厳しい部分もたくさんあります。

しかし、それ以上に感動と収入を与えてくれます。

生き物が好き、牛乳が好き

そういった方は、一度酪農を始めてみませんか?

無理だと思ったら辞めればいいんです。

気楽に挑戦してみましょう。

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